((((((  ))))))

これからの童謡運動/藤田圭雄・その2

(童謡の風・2号:平成7年発行より掲載)

 兵庫県龍野市の三木露風賞は第10回目を迎えました。鳥取のふるさと音楽賞も 第五回です。南阿蘇アスペクタの童謡ピクニックも第七回。日本全国を単位とする 全国童謡唱歌サミットも今年は第五回を群馬県で開催します。いつ行っても、 毎日、三回ずつの生演奏が聴けるという南阿蘇の日本国際童謡館も開館一周年を 迎えました。

 北は北海道から南は沖縄まで、それぞれの色調で夢を語るこの童謡運動の焔を 消してはなりません。童謡は、まず詩があって、それに曲が付せられ、そして 美しい声で唱われることによって生命が燃え上がるのです。

 先日、「日本国際童謡館移動コンサート アンコール公演 童謡館がやってきた」 の帰途、虎ノ門ホールから地下鉄の駅までの間で、私は何人もの方々から声を かけられました。みなさん、南阿蘇のあの童謡館を御存知なのです。
そしてなつかしさをこめて、あの夢のようなコンサート・ホールを、そして そこから湧き起こる一日三回の歌声を思い浮かべておいでなのです。

 この七月に開館する鳥取のわらべ館では、豊富な資料を基にした、日本で はじめての唱歌・童謡の研究所が誕生する予定です。それぞれの施設が、 それぞれの抱負を胸に、手をつなぎ、肩を組み、日本中を香ぐわしい童謡の 花々で埋めつくしましょう。

 ふるさとをなつかしむ明治唱歌、芸術の香り豊かな大正期の童謡、そして、 今日を生きる今日の子どもたちの為の、新鮮な、楽しい歌の数々というこの 尊い宝物を、一番優れた一番美しい姿で、聴きたい時にはいつでも聴けるよう、 唱いたい時はいつでも唱えるようしっかりと運営して行くことこそ現在の 我々の責務ではないでしょうか。

(註: わらべ館 平成七年七月七日オープン)
リンク更新:平成十六年十二月